風俗の退店届けの内容証明郵便ってどんなもの?

まず、内容証明郵便とは

内容証明郵便とは、公正証書をイメージしていただくとわかりやすいと思いますが、出した郵便の内容が公的機関に証明されます。(この場合は郵便局が公的機関にあたります。)出した日付や配達の証明だけでなく、出した文章の内容も証明できます。

もともと内容証明は、3部同じ文書を作り、郵便局で発送手続きするときに、日付のはいった証明印が押されます。そして、1部は郵便局に保管され、差出人にも控えとして1部が返されます。残りの1部は相手に配達されるというわけです。

そして、書留郵便ですから、受け取ったときに受領印を配達員がもらいますので、相手は「そんな郵便は届いてない!」などと言い訳ができなくなります。みなさんが聞いたことがあるクーリングオフなどでもよく使われる郵便です。

風俗店をやめるときに、罰金を払えと言われたり、やめるなら実家に行くぞなどと言われて辞められないようなときも、こういう郵便で出すことが多いです。

ただ、最近は、今日すぐ辞めたい、もう体も心も持たないなどという方もいますので、緊急の場合は、電子メールで退店届けを出すことも多いです。電子メールでも一応、記録としては証明力があります。(ご依頼者さまのスマホと事務所のパソコンにデータが残ります。)

 

行政書士に頼むか自分で書くか

行政書士に頼むと料金がかかります。風俗店の退店届けであれば、緊急性が高いことと、相手が特殊な人たちであることが多いので、5、6万円でお見積もりしております。(事情のあるかたは支払い方法をご相談ください。)

お金をかけたくないので自分で出せないかと質問されることもありますが、家も自分で建てる人がいるように内容証明郵便も、自分で作成して出しても問題はありません。

ただ、風俗営業法や労働法はわりと細かいので、それをうまく整理して書き入れるのは非常に面倒です。また、本を調べてやるのも、初めてであれば何日もかかってしまいます。なにより、慣れてない方が書くと、不必要に挑発的な文章になってしまいがちなので、できれば信頼できる士業に任せることをお勧めします。

店長がこわそうな人で話しができない、あるいは、罰金を払わないと実家に行くなどと言われているような場合は、ご依頼していただいたほうが、トラブル予防になります。

 

内容証明郵便によくある誤解

内容証明郵便は裁判所の判決のような効力があるのかと勘違いする方がいますが、もしそうだとしたら、裁判所がいらなくなってしまいます。何でも一方的に書いて出せば、裁判の判決のような効力が出るというものではありません。

そういうマジックのようなものではなく、内容証明は、出した文章が公的に証明されるというものです。すなわち、文章内容が公的機関によって謄本で証明されますので、何かあったときは、それが強力な証拠資料になります。公的に残るということで、相手に心理的な抑制力が生まれるという効果もあります。そうしたことから、結果として、トラブルを未然に防ぐことにつながるわけです。

たとえば、何年も風俗のサイトに写真を使われている人がいたとします。(けっこうあります。)そういうお店に、もう何年も前に辞めてますと主張したとしたとき、「辞めたなんて今、初めて聞きました。そのころ、退店の手続きはされましたか?」などとすっとぼけられてしまう可能性があります。そういう悪質なお店には、内容証明で退店届けや退店確認通知を出さないとどうしようもありません。

また、風俗の店でよくある高額な罰金で借用書を書かされてしまった場合は、どういう経緯で書かされたのか、また、それが本心でサインしたものではないことを内容証明郵便にして早めに出しておかないと、あとで「脅されて書かされました」と主張しても、店のほうは、「そんな言いがかりはやめてください、お金を貸しましたので返してください」と言ってくるものです。要するに、放置すると何も証明する資料がなくなってしまいます。いっぽう相手のほうは借用書を持っています。この場合、現場にいない第三者が聞いたら、どちらが有利になると思いますか?

しかし、内容証明を出しておけば、店も労働法違反の罰金とわかって、それでも請求してくることはほとんどありません。なぜなら、労働基準法違反で検挙される風俗店もあるからです。(少し調べれば、わかります。)内容証明郵便は、労働法違反があったことなどを記録に残すだけでなく、風俗店に違反そのものを理解させるという意味もあります。それがトラブルを未然に防ぐことにつながるのです。

それから、内容証明をけんかの道具のように考えている人もいますが、本来、内容証明は事実証明のための書類で、けんかをしかけるためというより、むしろ自分を守るためのものです。とくに、退店届けは今までの店との関係もありますから、必要もないのに相手を挑発したり侮辱したりするようなことを書いてはいけません。できる限り、事務的に事実を冷静に書き、退店に関係する法律をからめて作成します。違反を指摘して相手をたたくというより、むしろ相手に、法律的に契約終了になるということや、何をやったらどの法律違反になるかということを知ってもらい、理解させるというスタンスのほうがうまく辞められます。誤解と偏見を恐れず言うと、少々包容力を感じさせる文のほうがいいのです。

もっとも、相手が非常に悪質な場合は、はっきりと、「今後、万一〇〇されたら警察に申告する所存です」といった主旨の宣言をしたほうがいい場合もありますが、やたらめったら攻撃的に書けばいいというものではなく、状況を総合的に考えて、やむを得ない場合にのみ、そういうコメントを文末に入れるものです。そういうコメントを入れざるを得ない場合も「なお、今後、万一〇〇があった場合は、通知人はやむをえず警察に申告することになりますので、念のためご注意申し上げます」というように慎重な言い回しにになることも少なくありません。一方、暴力を振るわれたような場合は「なお、今後、万一〇〇があった場合、通知人はただちに公安委員会及び所轄の警察署に申告しますので、あらかじめご承知おきください」といったように強めの書き方にすることもあります。これらは、ふつう文末に入れます。

このように内容証明にするときは、意外と繊細さを要求されます。初めて内容証明を出す方は、その点、過剰に攻撃的、挑発的な文章になってしまっていることが多いので、できるかぎり依頼されることをお勧めします。